Interviewインタビュー

卒業生の声

りゅうがRYUGA

PROFILE
・三重シューレ在籍期間(2年):16歳(高校2年)~18歳
・通信制代高校に編入し卒業→オーストラリア留学

周りに流される自分も嫌・・・
高校を辞めてみえシューレへ

「辞めたいって本当に思ったのは2年になったとき」

INTERVIEW FROM ISHIYAMA TO RYUGA

石山

りゅうがくんは自分が好きなことができる環境で育ってきたんですか?

りゅうが

これやれとか、言われなかったです。当たり前な程度の「やりなさい」は言われますけど。
自分が決断したことに対してはいいよ、と後押ししてくれる。

石山

よくあるのは、大人が子どもに「選んでいいよ」と言いながらも、実はこれを選んでほしいということをいろいろと伝えた上で『選ばせる』という…。そういうのはなかったですか?高校を辞める時も?

りゅうが

そうですね。僕が辞めるって言い出したのは2年になってからで、もう教科書を買っていて。4月はちょっと教室に通ったけど無理になって。教科書を買う前に言えばいいのかな、でも僕が辞めたいって本当に思ったの2年になってからやし、って思ったり。

石山

2年になって教科書買ってから、でも僕は辞めたいって感じた、その核になったものはありますか?

りゅうが

1年から今も仲いい友達はいるんですけど、辞めたかった。高校辞めた頃、僕が子どもだったんだな、周りの目を気にしてたんだなって思う。1年で少しずつたまってきてて、2年になってクラス替えして仲いい友達もバーっと離れて、ここで続けられるのかなって考えて。先生はどんな感じかな、まあこんなもんかって感じ…。今までにないくらい肝が据わって、ドンって辞めるって決めて、日々それしか考えてなかったです。
「辞めたいな」「めんどくさいな」って高校生のみんな、気軽に言うじゃないですか。僕の場合は、本当に辞める辞める辞めるって、意志がめちゃくちゃ固くなって、今までにないくらい。
それまでは嫌だったとしてもそんなに意志は固くなかった。

「…これを続けて僕はどうなんだって」

INTERVIEW FROM ISHIYAMA TO RYUGA

石山

2年生になって意志が固まったわけですね。それは誰かに相談せず自分が出した結論なんですか?

りゅうが

はい。いや続けることもできたんです、嫌なりに。でも、これを続けて僕はどうなんだって。集団の中で自分を出せない、周りに流される自分も嫌で…。
その日に考えて、授業のあと部活に行き、終わってから友達に「もう俺多分辞める」と言って、部室に置いてあるもの全部持って帰って。帰りのバスの中で親に連絡して「辞めたいと思っとる」「とりあえず家帰って話ししよか」って話して。
次の日、2年の担任の先生が来て説得されたけど、僕は固かった、めちゃくちゃ固かった。何が嫌かって言うと、僕が辞めたいって言い出したのは2年の初めで、説得しに来たのは僕と無関係な担任になったばかりの何もわかんない先生で。もし僕を引き留めたいんなら1年の時の担任来いよって、ちょっと思ったんです。2年の担任の先生が来て、「1年の担任の先生にも一応言った。『もう一回考えてみなさい』って言ってましたよ」と、ありきたりの言葉。多分僕が辞めてもこの人は何も思わんなと思って。そりゃいい先生も、本気で辞めるなって言ってくれる人もいるでしょうけど、僕の学校にいなかった。

石山

そうだったんですね。

りゅうが

僕が通ってた学校は2年から進学の調査があって、行きたい大学の候補を選んで見学に行くんです。その時はイラストの道に進みたくて、美術学校もあったんですけど…。そういう時に、仲いい子とつるみたい自分になって。僕は友達が一緒に行く全く興味のない大学の名前を書いて提出したんです。でもそれを流されて書いてしまった自分も嫌になって。本当は一人で行ったらいいのに、友達といたい、一人は恥ずかしいとか。自分に逆らってしまう自分になってると、ふと気づいて。あかんこれ、じゃ環境変えたらどうなるのかなと思って。

「高1の時は英語がとにかく苦手・・・これから留学して海外で働きたい」

INTERVIEW FROM ISHIYAMA TO RYUGA

石山

そのまま流されるのではなく、そこを辞めて三重シューレで高校を卒業して、その後に留学するという全く違う人生を選択し歩んでいるってことですか?

りゅうが

三重シューレに来なかったら留学は多分なかったです。高校1年生までは英語がとにかく苦手で、点数も低かったですし…だから全く違ってきたんですよ。

石山

どうしてそんなに変わったんですか?

りゅうが

三重シューレに来た時はイラストの専門学校に行こうとしてたんですけど、イラストの仕事で生活できるのかなって。本当に一部の才能のある絵がめちゃくちゃ上手くて想像力がある人が食べていけるだけで、全員が成功するわけじゃないんで。
描きたい気持と絶対成功するって思う自分だったら良かったんだけど。その時、毎日絵も描いてないし、描いたとしても納得いく絵が…。このままイラストの専門学校に行っていいのかな、こんな気持ちの奴がって。
どうしようと思ってた時に、YouTubeで留学の動画や、大学生や語学留学してる人のブログを見て。「自分の一日を紹介します」とか、一般のいろんな国に留学してる人たちが留学動画とか上げていて。それを見て、もともと海外旅行に行かせていただいてて初めてではなかったんで、海外に住んで生活してみたくなり、初めて留学したいと思いました。
語学留学は37歳で仕事辞めてやる人も、ワーキングホリデーで留学する人もいるし、学生ビザで語学留学や、中学生でも海外の語学学校と高校に通うっていうのもできるんで、そういう情報を調べて、自分もそういうのしてみたいなって。英語が話せたら今の自分の能力でも生かせる場所が日本だけじゃなくて広がるんで、じゃあ英語学んでみよって思いました。

石山

将来、仕事は日本だけじゃなくて海外でやることも視野に入ってるんですか?

りゅうが

今の自分の目標は、日本というよりは海外で働きたいです。その理由は、やりたい仕事とかがまだなくて、漠然と英語を使いたいというだけなんで、英語をいつか習得して。

「三重シューレでコミュニケーション能力が身についた」

INTERVIEW FROM ISHIYAMA TO RYUGA

石山

三重シューレの通信制高校の学習はどんな感じでした?三重シューレのスタッフと学校の先生の違いは?

りゅうが

講師の方々が優しく一人ひとりに教えてくださるので、すごく助かったしわかりやすかったです。
学校の先生は集団を教えるんで、一人ひとりにどうしても少ない時間しか関われないけど、三重シューレのスタッフの人たちは一人ひとりに密になって話してくれるし、自分から話しかけようと思える明るいスタッフもいっぱいいるんで、そこが違うと思います。

石山

りゅうがくんにとって、どのような人間関係が心地いいですか?

りゅうが

年齢差関係なく分け隔てなく、普段の何でもないことを話したりできる関係です。
三重シューレは年齢が上の人や小中学生もいますけど、本当に弟妹みたいにかわいくて、下の子たちから自分が忘れてたことも思い出したり、元気をもらいますね。

石山

三重シューレで経験できることや学べることは?

りゅうが

多くの年齢層の子がいて仲良くしゃべるので、コミュニケーション能力もすごく身に付くと思います。

石山

フリースクールで自分なりのコミュニケーションの取り方を学んだっていうことはよく聞きます。一人で過ごしている子に対して三重シューレでは、どんな関係ですか?

りゅうが

話したそうにしてたり、緊張してたり、初めて来たばかりの子には、みんなが話しかけてくれます。誰かと絶対仲良くしゃべらなくちゃいけない、というのがないので、一人が好きな子は本や漫画を読んでても誰も何も言わないし、居心地がいい。話したい人も自分がコミュニケーション取るか取らないか、その人次第で、自分で決められると思います。

「みえシューレでは…高校を辞めたことを後悔しない時間だった」

INTERVIEW FROM ISHIYAMA TO RYUGA

石山

同じフリースクールに通っていても、その経験は人それぞれなのかなと思います。三重シューレでの2年間は自分にとってどのような時間になったと思いますか?

りゅうが

自分にとって辞めたことを後悔しない時間だったし、もちろん高校に通っていた時よりも成長して、自分で物事を決断する力が身に付いたと思います。

石山

自分で物事を決断するっていうことは学校にいた時はやりにくかったですか?
流されやすい環境でしたか?

りゅうが

僕はそうでした。学校みたいに人数が多いと、仲いいグループがどんどん出来上って、そこを離れた時に自分が一人でいる辛さが生まれる。それが嫌で、仲良くもないグループに無理やり話しに行って、グループの子に流されるまま、自分の意思を出せない。
三重シューレはみんなが一つの仲間なんで、その中で自分のやりたいことを発信できますし、流されずに一人ひとりが意見を言い合えるので、自分で決断できると思います。

石山

三重シューレでは流されないわけですか?
りゅうがくんから見て、どこが違うんでしょう?

りゅうが

やっぱり人数が多すぎない、同じ年齢層だけでグループが出来るわけじゃなくて、年齢が違う子たちで一つの仲間なんで。年下の子たち、年上の子たちが今経験してることをみんなで話し合えるので、自分が生きていく上で、小さい時に忘れかけてたことも思い出させてくれたりとか、自分がまだ経験してない上の年齢の人たちが経験してることを教えてくれるところが違うと思います。

石山

なるほど、そうなんですね。
今日は、いろいろお話を聞かせていただいて、ありがとうございました。
また、オーストラリアでの様子も教えて下さい。