Interviewインタビュー

卒業生の声

かんなKANNA

PROFILE
・三重シューレ在籍期間(4年):中3~高3
・三重シューレで通信制高校卒業→専門学校

大好きなイラスト・デザインを
仕事にしたい

「イラスト系の専門学校へ・・・アニメ、映像、3DCGもやってます」

INTERVIEW FROM ISHIYAMA TO KANNA

石山

まだ専門学校に行って1年半ぐらいなんですね。
専門学校は楽しいですか?生徒会もやっているとか、驚きました。

かんな

楽しいです。勉強も楽しいし、けっこう人としゃべるようになって。
生徒会というか、アシスタントスタッフというサークルのような組織があって、学校のメンテナンスや体験入学、オープンキャンパスのスタッフやってます。
でも今月中で辞めようかな、作品作る時間がまるで無くて。

石山

作品作る時間、大切ですよね。今、専門学校で学んでること教えてもらえますか?

かんな

最近は、アニメーションというか映像編集やアフターエフェクトで動画を作ってます。ミュージックビデオっぽいです。各自好きな曲選んで何分30秒くらいで動画作るのと、モデリングです。3DCGのF2Aって戦闘機を作ってて。

石山

専門学校の種類や何学科とかも教えてもらえます?

かんな

コンピューター系の学校で私はCG学科です。アニメイラスト学科なんだけどCG系。大きく分けてゲーム、ミュージック、CG、ITで、その中にCGがあり、CGの中にアニメとイラストと映像とグラフィックがある。今、授業の内容はCG学科の人たちは一緒のことやってるんですけど。
2年生の後期から、がらっと専門的なことを、もっと突き詰めてやるみたいです。
手でイラストを描く授業はあるけど、そこはメインじゃなく、割とほったらかしにされてて、私はそれでいいと思うんですけど。そういうのがメインになるのは2年生の後期からです。あとは全体的にやってます。

石山

アナログで描く方がメインじゃなくなって、面食らってる部分とかは?

かんな

特に無いですね。むしろ周りの子はもっと絵を描かしてくれって言うし、他の専門学校だとすごく描くのかなと思うんですけど、私は今の3DCG触ったり映像の勉強したりするのも結構重要だと思うんです。

石山

そっちの方向にいく可能性もあるわけですか?グラフィックデザインじゃなくて。

かんな

そうですね。2年の後期からアニメかイラストかCGかグラフィックか決めなきゃいけなくて、カリキュラムががらっと変わっていくんです。もともとイラストが好きだったのでそっちかなと思ってたけど、アニメも面白いかも…と思い、最近アニメも勉強してた。でも、やっぱりイラストだな、平面の動くものより止まっている静止画がいいなあと思ったので。例えばCG学科からロボット学科への変更とか、移動はできるので。

石山

今、絵を描くこと以外のこともやってて、それも必要と感じてるんですね。

かんな

すごく為になると思います。他の勉強してても、その内容が絵を描くのと同じだなって。全然違うようでつながっているようで、いいなあと思って。

「上手くなりたいと描き始めたのは不登校の時から」

INTERVIEW FROM ISHIYAMA TO KANNA

石山

力を入れて絵を描き始めたのは、いつ頃からですか?

かんな

不登校になってる時、家にいる時間が長かったので中3、高校生くらいからですかね。
もっと前から何も考えずにパーッとキャラクター描いてたんですけど、その辺から上手くなりたくなった感じです。

石山

かんなさんが三重シューレに入ったのは中3の冬くらいで、絵を上手くなりたいって描き始めた頃くらいなんですね。意外でした。もっと前からかと思ってて。

「三重シューレで通信制高校の学習・・・空いている時間にいっぱい絵を描く」

INTERVIEW FROM ISHIYAMA TO KANNA

石山

学校と違って三重シューレでは『出なければいけない授業』もないし、特に不安は無かったですか?

かんな

不安はありました。お昼くらいに来て、授業受けて夕方に帰って、時間は2時間とか。普通の学校だと朝から出なきゃいけないから、こんなんで大丈夫かなと思いましたよ。

石山

現在は完全個別なんで、もっと一人ひとりの授業時間は少ないんです。
中学を出て、すぐに通信制高校の学習を三重シューレで始めた理由はありますか?

かんな

他の所を見るわけでもなく流されるままって感じ。何考えてたんだろう。あんまり覚えてないですね。
授業が少なく何回かでよくて、あまり勉強しなくてもいいってとこはすごくいいなあと思って。

石山

いつも保護者の方には、本人が納得して「通信制高校の学習をする」ことを応援してくださいって伝えてます。後々になっても「自分で選んだ」という本人の記憶になるように、子どもが選ぶことを大切にしてくださいと。
通信制高校の授業は少ないですよね。そのかわりレポートと宿泊スクーリングがあるので。確かに全日制の毎日6コマの授業に行くのと別世界ですね。

かんな

勉強がすごい嫌だったんで。勉強がしんどいなあと思ってて。

石山

実際、通信制高校の学習は自分にとって合ってました?

かんな

楽で、他のやりたいことがいっぱいできた。その空いてる時間で絵がいっぱい描けて、同い年の子よりも絵が上手くなったと思うので、時間が取れたのはすごく良かったです。

石山

三重シューレでもずっと描いてましたね。いつも何か描いてるなって。
通信制高校の学習をしながら三重シューレに通ってた時のペース、例えば1週間こんな感じとか、こんなふうに過ごしてたとか、振り返ってもらえますか?

かんな

最初は週2回くらい?終わり頃には結構頻度高めで週4、週5くらいで来てたような。
(専門)学校に入学するので終盤の頃は変わろう、ちょっと頑張って社交性を得ようと思って。そのおかげで割と専門学校入ってからはスムーズに友達としゃべることもできて、すごくうまいこといって。三重シューレでは絵描いたり、漫画読んだりしてることが多かったです。

石山

そういうことだったんですか!
一人でこつこつやってた時、三重シューレでいにくいことなかったですか?

かんな

はい。たまに向こうから話しかけてくれたらしゃべるくらいの感じですよね。
普通に話しかけられたら嬉しいし、っていう感じでしたね。

「美大でなく専門学校へ・・・絵が上手くなるついでに就職できたら最高」

INTERVIEW FROM ISHIYAMA TO KANNA

石山

絵が上手くなっていったって話ありましたけど、三重シューレやいろんな所でこんなふうにやってたとか教えてもらえます?

かんな

1日1個なにか落書きでもいいんでスケッチして。デッサンもやってたけど、クロッキー帳に手なり時計なり見て、とりあえず毎日描いて描く習慣をつけていました。

石山

三重シューレで主に習ったのはデッサンでしたか?

かんな

デッサンとか油絵とかもやったんで…デッサンが多かったですね。
他に、美大向けの絵画教室でデッサン教室みたいなのを1回だけ見学しに行って、一つだけ作品作ったんだけど、そこまでハードにやりたくなくて。それは美大コースじゃなく、高1、高2の受験生じゃない子向けの週2回のなんだけど、それでも1日6時間7時間とか描いてたんで、いやーここまで美大に行きたいわけでもないから、ここまでじゃないなあと思った。デッサンは三重シューレの週1くらいでちょうどいい。

石山

そのくらいのゆるい感じで。さっきのは美術予備校ですね、みんなガリガリやってて。しんどい人も多いと思いますけど・・・美大受験に特化して、いつも他人と比較される世界。
かんなさんが美大・芸大ではなくて専門学校選んだのはなぜですか?

かんな

一番はオープンキャンパスを美大・芸大・専門学校問わずいろいろ行ったんですけど。オープンキャンパスの内容が文化祭みたいで、染物体験とか、パソコンでイラスト描いてみようとかで、それは違うなと思って。私は学校のことを知りたくて来てるのにそんな体験やってどうするんだって思って(笑)美大も全体的にそんな感じなの、と。
絵は上手くなりたかったんです、第一条件として。美大は絵が上手くなるっていうか…、どこも絵は上手くなりそうだったんだけど、専門学校は就職ができるって言ってたんで、じゃ絵が上手くなるついでに就職できたら最高じゃんと思って。それで決めたんですよ。

石山

私の中では美大・芸大はデザイン科もあるけどアート的な要素も強いのかなと思ってて。

かんな

そうですね、芸術家とかって感じですよね。

石山

専門学校に行って、絵が上手くなって仕事ができたら言う事ない。今も、好きな道でそれを仕事にしたいですか?

かんな

したいです。この間友達に「かんなちゃんは別にすごい企業に行きたいとかじゃないのに、それだけ頑張れるのすごいね」って言われて「ああ確かに」って。仕事ができて自立できたらいいかな。

石山

有名な公告会社の〇〇に行きたいとかってわけじゃないんですよね?
そういう価値観でなく、好きなことで収入を得たい?

かんな

せっかく頑張ってきたことだし、力、能力があるからそれを生かすのが一番いいかなって。

「学校入って、三重シューレ出て、専門学校行って、今が一番楽しい」

INTERVIEW FROM ISHIYAMA TO KANNA

石山

実際、学校では随分描けるんでしょ?

かんな

でもすごい上手い人が1人学年にいます。年齢は上なんだけど、その人見ると頑張らなきゃなあと思って。一番がいいなあ。一番なんかないことは重々承知なんですが。

石山

前に受賞したかんなさんのシンデレラの絵も、すごいクオリティじゃないですか。自分の中でこのくらいっていうんじゃなくて、いつももっといいもの作りたいっていう感じですか?
それは苦しくないですか?

かんな

上手く描けないときは苦しいけど、比較的いいのが描けたら嬉しいし、何回でも見返しちゃうくらいです。でも、やっぱり1週間くらいたってから見ると、ああもっと描きたいなと。

石山

もう、そういうものを描かない人生って考えられないですか?

かんな

そうですね。描かないと安心できないです。

石山

将来、かんなさんが好きなことで仕事やってどんなものを作るか見てみたいですね。
あと職業含めて将来こんな生き方したいなっていうことあります?イメージとか希望とか?

かんな

苦しくなければ普通に生活ができたらいいなあ、というくらいです。グラフィックデザインとかの会社に行って仕事の経験積んだ後に、イラストレーターで働けたら一番いいんですけど。フリーでも、自分のイラストに価値が出たらいいなあと。

石山

オリジナリティの部分もあるわけでしょ、技量にプラスして。もちろん今は作ってるとこですよね…かんなさんのオリジナルの部分を。

かんな

今はちょっと作品の幅を増やしたいなと。

石山

なるほど…。大切にしている事ってあります?

かんな

絵に限らず、変化がどうしても欲しくて、つまんなくなってるんですよ。学校通って勉強してつまんないなあと思って、ちょっと違う事やりたくて、(専門)学校で生徒会に入って、その中でも一番上の部長、副部長とか、リーダーとメンバーで構成されてるんですけど、ちょっとリーダーやってみようかなとか。それも飽きてきたので副部長やろうかなと思って副部長に手を出しているんですけど、最近忙しくてもう辞めるんです。
普段何も考えてないと何やっても成長しないので、常に何か考えて行動していかに毎日変化成長できるかを大切に意識して行動してますかね。絵にしても、自分のコミュニケーション能力も、今日はこれ頑張ろうというのを大事にしてます。

石山

わかりました。そういうお話をかんなさんから聞くっていうのは、昔はイメージできませんでした。勝手なイメージですみません。まさか生徒会とか、前は一人でこつこつ絵を描いててね。

かんな

入る前は絵だけ上手くなればいいかなって思ってたんです。友達とかいらないかなと思ってたんだけど、ちょっと欲が出てきちゃって。

石山

あの時の三重シューレの子たちが今の話聞いたら驚くでしょうね。あの時のかんなさんのイメージと全然違うと思います。

かんな

自分でもそう思います。中学校の時の友達に会っても向こうは全然私に気付かないだろうなあって。今が一番楽しいので。学校入って、三重シューレ出て、専門学校行って、今が一番楽しいので。

石山

今が一番楽しい、それは良かったですね。

かんな

三重シューレの終盤の授業に毎日行ったりしゃべったりするのが、だいぶうまいこと生きてきたかなと。

石山

コミュニケーションをしやすくなったということでしょうか。いや本当おもしろい話です。終盤ほぼ毎日来てたのも慣らす為だったとか、そういう事だったとは。将来の作品もぜひ見たいですね。楽しみです。

かんな

学校で不定期のイラストコンテストが去年は5回くらいあって、学科問わず学年問わず1年生から4年生まで、みんな出せる課題とはまた別のコンテストがあって、それに毎回出して入選みたいなのしてたんです。金賞が一番上なんですけど、私が取れなくて、入選とかで貼り出されるんですけど、ずっと取れてなくて、1年生の終わりの時のコンテストで金賞取って、ついこの間その次のコンテストでも金賞が取れたので。

石山

それなりのオリジナリティとかも求められるんですか?

かんな

そうですね。この間の作品の金賞が二人いて、私ともう一人がクラスの中で相当うまいとさっき言った子。この画像は私ので、テーマが海だったんです。

石山

海のテーマで、この色で描くとは思わないですよね。これはかんなさんが作ったキャラクター?

かんな

そうです、キャラともろもろ自分で。

石山

構図の迫力ありますね。水平線はちょっと右を上げてる?四角い画面を生かすポーズと配置、迫力ありますね。もちろん色も特徴的できれいで。これデジタルで描いてるわけでしょ?

かんな

ありがとうございます。最初の下書きの段階は紙で描いて、スキャンして。

石山

前に見たシンデレラの絵の時も思ったけど、かんなさんの四角の画面の生かし方、当たり前に描きたくないっていうか。構図による迫力があって。

かんな

それは普通に描いててもつまんないので。ぐっとくる、みたいな。

石山

描く前の構図決めるのって、結構時間かかるんじゃないですか?

かんな

そこがだいぶ重要かなと思って、そこが上手くないと自分が描いてても飽きてきちゃうんで。
つまんない構図だと、この絵これで終わりでいいかなと。

石山

そうですか、なるほど。かんなさんの絵の特徴の一つが、もしかしたら当たり前じゃない構図っていうのがあるんですね。今日は楽しいお話をありがとうございます。
また、ぜひ絵を見せてください。