Interviewインタビュー
卒業生の声
けいごKEIGO
- PROFILE
- ・三重シューレ在籍期間(8年):中1~20歳
- ・高卒資格取得せず→仕事の資格取得して個人事業
不登校しても
将来への不安はなかった
「興味あることを8年間・・・必要なことは、やっていくうちに覚えていく」
石山
三重シューレで過ごした中学1年から20歳まで、どんなことをやっていましたか。
けいご
毎日来てパソコンしたり、鉄道模型で遊んだり、木工講座に参加したりしましたね。
好きなこと、趣味でやりたいことをやってました。
石山
教科学習に対する不安や将来に対する不安は無かったですか?
けいご
それは無かったです。必要なことは、やっていくうちに覚えていく感じだったんで。自分の好きなことは、ネットで調べたり、人から聞いたり、相談したり。
将来に対する不安もあんまりなかったですね。
石山
振り返ってみて、三重シューレにいた時にやっていたアルバイトの経験はどうでしたか?
けいご
17歳からしましたが、役に立ってます。いろんな人とふれあい、社会に出て色々学びました。責任もあり勝手なことはできないので、フリースクールでは好きなことをやって、仕事ではしっかりと。稼いだお金は、趣味に全部つぎ込んでましたね。
石山
飛行機に乗るために沖縄や北海道、ヨーロッパまで行ったり、模型から始まって本物のユンボまで買ってましたね!
「マイペースな生き方・・・やりたいことと仕事を分ける」
石山
フリースクールっていろんな年齢の子がいますが、その子たちとはどんな関係でした?
けいご
身近な友達っていうか、全員同級生みたいな感じ。小さい子から大きい子まで年齢関係なく、ふれあえる場所でした。
石山
フリースクールを経験したことと今の自分の生き方は何か関係ありますか?
けいご
これやらなきゃいけない、あれやらなきゃいけないっていうのがなく、マイペースな生き方ができてます。
石山
三重シューレでは連携している通信制高校の高卒資格を取る子が多いですが、取らなかった理由は?また、高卒資格を取らないで今まで困ったことはありましたか?
けいご
なくても手に職をつければ、やっていけるのかなって。
無理して学んでも活用することがない、生活できるだけのことを身につければ別にやっていけるんじゃないかって、昔から考えてました。困ったことも、今のところないです。
仕事に必要な資格を取っておけば学歴は関係ないんじゃないかなって。最低限の資格を取れば一通りできる仕事をしてるんで。
石山
今の仕事はどうしてもしたい仕事になりますか?
また、仕事以外で楽しみなこと、興味があることは?
けいご
そういうわけじゃないけど、自分の趣味をかねてる部分もあり楽しくはあります。
仕事以外では、建設機械とか鉄道が好きですね。
欲しいものを買うために稼いでる。どっか行きたくなったらお金が必要。趣味を実現させるために働いてるっていう感じですかね。やりたいことと仕事を分けています。
石山
やりたいことと仕事を一致させなければと思っている人は多いでしょうね。
小さい頃から「将来何になるの」ってよく言われてますし、人間になってるんですけどね。
「不登校の不安もなく、高卒資格も必要ない・・・自然とこうなった」
石山
もう一度生まれ変わったとして今の日本の学校を選びたいですか?
けいご
公立の学校だったら選ばない。不登校も選ばないですね。
学校に行かなくてもいい、行きたい人だけが行く世の中になったらいいと思います。
石山
不登校をしたことで生きていけないっていう考え方をしたことはなかったわけですね。
けいご
ないですね全然。
このままでも大丈夫やろう、最低限お金稼いでやっていけたら楽しいんじゃないかって。
石山
「全然ない」って衝撃的だと思います。不登校をするときの理由でこれだっていうのは?
けいご
小学校の卒業式の練習で、例えば列が乱れとるとか、しょうもないことで怒られるのが嫌になって。
最後くらいきっちりっていう理由もあると思うんですけど、でも僕は卒業式くらい気楽に出させてほしいっていう気持ちだったんで。そのまま小学校の卒業式は出てないです。
中学校の入学式は無理やり出たみたいな感じで、二日行ってやめました。
石山
そうやって不登校を選んできたんですね。不登校に不安がなく、高卒資格も必要ないと決めて生きていく人は、よほどの自信家なのかなと思ってしまうんですが、実際はどうなんでしょう?何か特別な環境があったんですか?
けいご
いや、なんにも。自分ではわからなくて、自然とこうなった感じです。
卒業式も行かなくても卒業証書もらえるしっていう感じはあったんで。
石山
ははは(笑)、そうですね。本当にマイペースで生きてきたんですね。
一方で今の日本はマイペースな生き方を否定されている子どもで溢れているように感じます。学校に行っている子どもの中には、怒鳴られながら土日も部活をやらされていて。勉強に部活、「とことん頑張らないと生きていけないぞ」って、まるで脅されるみたいに。その言葉を信じ込まされている子どもも多いように思いますが?
けいご
周りがそうだからじゃないですかね。いいところに就職してって言われると、ちゃんとしないとあかんのかなって。
石山
とにかく「がんばれ!」。体も心も悲鳴を上げるくらい頑張らないと生きていけないと信じこまされるのは、一種の洗脳のような。
「とにかくがんばれ教」から抜け出すのを一つの選択、生き方として当たり前に認められる社会にしたいですね。
その後も楽に生きてきましたか?
けいご
そうですね不自由することなく、ボチボチやってます。