Interviewインタビュー
保護者の声
NさんN
三重シューレに再入会して
通信制高校の学習
「兄妹の不登校・・・」
石山
今日はよろしくお願いします。Nさんは、お兄さんと妹さんが三重シューレに入会されますが、最初にお兄さんのことをお聞きしたいのですが、三重シューレに入会されるのは、どのような経緯だったのですか?
N
初めは公的な居場所で相談させていただいたんですけど、どっちかというと学校に戻そうという感じでプッシュされて、本人もあまりそこでは喋りたくないようでフリースクールを探しました。わたしがネットでいろいろ調べてたんですが、別のフリースクールのつもりが間違えて三重シューレに来て、扉を開けたみたいな感じですね。
石山
面白い入会のご縁ですね。中学校一年生で入会するわけですね。その後を教えていただけますか?
N
中学校の三年生ぐらいまでいたと思うんですけども、もうなんか、本人の意思で三重シューレをやめる時は私の気持ちも安定してた気がします。その後は家で過ごして。高校は、ネット中心の通信制の高校を卒業して。今、専門学校に通っていて、もうすぐ一年生が終わります。
石山
早いですね。お兄ちゃん、三重シューレでも、とってものびのび育っている感じでした。
それから、妹さんのことをお聞きしたいのですが、不登校から三重シューレに入会するまでのことをお話しいただけますか?
N
小学校六年生の夏休み明けからポツポツと学校休むようになって…お兄ちゃんが三重シューレに来てたので学校行かなくてもいいんじゃないって話がスムーズにいった感じで、見学させていただいて一回入会したんです。しばらくして、やっぱり家が一番いいということで、三重シューレを辞めて、家で過ごすことにしました。
石山
あの時、お母さんもすごく落ち着いていたような感じでしたね?
N
親としては、いっぱい経験してるからか、不安は特になかったというか、本人が元気ならいいかみたいな…
「高卒資格のために再入会・・・教科学習の不安はありました」
石山
そうなんですね。それから、中3になった時、もう一度、三重シューレに来られますね?
N
周りの影響というか、本人の中でいろいろと情報を得て、高卒資格を取りたいっていう話になって…他の学校に一回見学に行ったことがあるんですけど、なんか雰囲気が違う、自分はここでやっていけないっていうことでやめました。いろいろ資料も集めたりしてたんですが、前に三重シューレにいた時にスタッフの方と喋りやすかったとか、なんか一応、慣れてるっていう気持ちもあって。
石山
あの時、私も、一度退会されているので、「三重シューレがいいのでしょうか?」ということで確認させていただいたと思いますが…慣れていたから選ばれたということで、もちろん嬉しかったです。高校では授業だけでなく、レポートもいっぱいありますが、お母さんから見て不安はなかったですか?学校での教科学習をやってきた経験はなかったので、どうでしたか?
N
そうですね。不安はありました。ただ、本人が決めたところならどこでもいいかなと。
石山
春に教科書とレポートがたくさん送られてきて、お母さんから見てどんな感じでした?
N
最初の頃はあのレポートの書き方からわからず。勉強方法も分からなかったんで…前期分の最初の頃は、ちょこちょこ聞かれたら答えるために横に座ってたんですけど。だんだん、やり方がわかってきて、自分でいつのまにかできてるっていう感じになってきました。
「親の方で先回りはしない・・・自分から進んで」
石山
前期分の時は、自分でやり方を模索している状態だったということでしょうか?その時、お母さんの方から、「これはもうやったの?」とか促すようなことはされたんですか?
N
それはなるべく言わないようにしていました。質問に応えた感じです。
石山
なるほど。そうすると、先回りはしなかったってことでしょうか…先回りしないと心がけていたことはあったんですか?
N
まあ、できなかったらできなかったでいいかって。本人が困るだけなんで、言わないようにしてたかもしれないですね。
石山
本人は困った後に、まあなんとかするだろうというふうに思われているんですか?
N
なんとかなると思ってます。小学校の時とかは今思えば言い過ぎたなって思います。それこそ夏休みの宿題とか、あれやって、これやった?とかすごい聞いてたので、その反省もあります。高校の勉強はもう言わないです。
石山
昔からじゃなくて、お母さん自身の中で向き合い方を変えてきたわけですね。そのようにお子さんを見守ってきて、成長してると感じられることってありますか?
N
進んで勉強していることですかね…高校入って英語や漢字のアプリ入れて勉強したり、レポートを自分で計画立てて進めていたりしてますね。驚きます。
石山
レポートも丁寧にやられてますよね。漢字とかも調べて。
N
今も好きで勉強してるわけじゃないかも知れないですけど、もっとこうしたらいいんじゃないかとか、自分で考えながらしてることが増えたと思います。
石山
そうですよね、全部自分で調べて。
最後に、ご兄妹の不登校を親として経験されてきたわけですけど、親御さんや社会に伝えたいことはありますか?
N
・・・子どもが小さい時は、私がなんとかしなきゃみたいな責任感が、かえって子どもに負担を与えたんじゃないかなって、今になってすごい思います。不登校になってから反省することが多くて、子どもは自分のものじゃない、子どもの意思で動けるようにサポートできる立場でやりたいって思います。先生や保護者の思うように子どもを動かそうとするんじゃなくて、子どもが動きたいように周りがサポートできるようになったらいいなと思います。
石山
お子さんが安心してのびのびと成長していく感じがしますね。
今日は、ありがとうございました。