『 入会相談から・・・ 』

芸術の秋?
趣味の秋?
いや相談の秋?
実は一年中なのですが・・・


夏休みが明けてから、保護者の入会相談がとても増えています。
特に今年は多いような・・・


フリースクールが認知されてきた?
学校以外で育つことを認める大人が増えた?
正確な理由はわかりません!?


フリースクール三重シューレでは13年前のオープン以来、入会には慎重に対応しています。
2時間をかけた保護者の入会相談の後、子どもが望んだ場合に入会見学(2回)ができます。


三重シューレでは、入会に際して大切にしていることがあります。
それは、親の願いで「子どもを入会させる」のではなく、「子ども自身が入会を決める」ことです。
実際に、数か月かけて、じっくり考えて入会するケースは珍しくありません。


入会相談では、保護者の方のお話を聞かせていただいた後で、三重シューレの考えもお伝えして、「子ども自身が入会を決めること」ができるように保護者の方が対応することを提案しています。


学校に行かない(行けない)からといってフリースクールに「行かなければならない」ことになったら大変です。
私が子どもだったらイヤです。
無理に勧める親を信頼することはないでしょう。


無理に入会させられたら、その子どもにとって「フリー」スクールではないでしょう。
フリーは、心の自由であり、行動を自分で決めることができるのがフリースクールです。



そもそも人間の育ち方・生き方は様々です。
個人の生き方・育ち方、自己決定を無視するような「・・・しなければならない」という言葉は地上から無くなって欲しいとも思っています。


また、大人がよく使う「子どもに・・・をさせる」という言葉にも疑問を持っています。
育ち方は予測できませんし、子どもは大人の『盆栽』ではありません。


「子どもに・・させる」という言葉を使うところはフリースクールではないでしょう。


・・・・・今日はちょっと、調子にのってもう一つ、
大人や教育関係者がよく使う「子どもに自信を持たせる」という言葉にも大きな違和感を持っています。
自信は、気が付けば自分で育んでいるものではないでしょうか。
「持たされた自信は、持つのも早いですが、失うのも早い」ように思います。



「・・・しなければならない」ことや「持たされた自信」、そして「大人や他者の期待に応える」ことを柱に記憶を積み重ねていったら、それを自分の人生と実感できるのでしょうか。


命は一つ、人生は一回であり、命の使い方を決めるのは自分です。


学校に行かない時間を手に入れたのですから、じっくり考えて、少しずつ決めていく。
未来を見ようとすると気が遠くなるかも知れませんが、たいていの場合、その人にとって決められることは目の前にあることだと思います。
大人が子どもに迫る『進路』という言葉は幻想かも知れません。
目の前のことをじっくり考えて、「少しずつ決めていく」ことがいいのではないでしょうか。
人生は試行錯誤の連続であり、少しずつ決めたことは変更するのも容易です。


「入会相談」では、このような三重シューレの考え方を保護者の方にお伝えしていますので、この相談後に見学に来る子どもは何割か減ります。
無理に連れられて来なくてよかったと思っています。


もし、「入会相談」をした保護者の子どもの全員が三重シューレに見学に来ることになったら、間違った入会相談を私がしてしまったことになります。


家庭、フリースクール、学校・・・子どもは存在が否定されない場所や信頼関係の中で必ず育ちます。
これはフリースクール三重シューレのスタッフの確信です。



これからも子ども自身が本心から入会を検討できるように、三重シューレでは慎重に対応したいと考えています。


そして、自分で決めた子どもたちに出会えることを心底楽しみにしています。


(いしやま)

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